モナコ旅行記の2回目は、マルシェでのランチや、大公宮殿、モナコ大聖堂、旧市街を散策したときの様子をお届けします。また、治安の良さや、新婚旅行など初めてのヨーロッパ旅行に大いにおすすめしたい理由もお伝えします。グレース・ケリーについても少し語ります。
Bonjour! Madoriです。
写真は、大公宮殿やモナコ大聖堂があるモナコ・ヴィル。
南フランス旅行記も、この記事を含めると残すところあと2記事となりました。
モンテカルロからモナコ・ヴィルへ移動
カジノ、リゾート地区のモンテカルロから、次は大公宮殿やモナコ大聖堂があるモナコ・ヴィル方面へ移動します。
崖の街の移動は徒歩だとキツいので、路線バスを利用する事にしました。
モナコのバスは、とても綺麗でした。
バスチケットは、1回券、1日券他いろいろありますが、私達は1回券を購入しました。
1回券は1人2€です。
バス、公共エレベーターが充実しているのでモナコ内の移動はけっこう便利です。
街中にあるモナコの無料エレベーターは、岩山の中を彫り貫いて作ったもので、192台もあるそうです!
また、効率よく観光名所を巡るための観光機関車プチトランもあります。
湾岸地区 La Condamine(ラ・コンダミーヌ区)
モナコの湾岸地区「La Condamine(ラ・コンダミーヌ区)」について紹介します。
ラ・コンダミーヌ区について
モナコらしい風景が広がる港湾地区からは、大公宮殿も見えます。
外国から来た豪華なクルーザーがたくさん停まっており、モナコが高級リゾート地であることを実感できる場所です。
ニースのクルーザーより大きい感じがしました!
モナコのマルシェ「コンダミーヌ市場」でランチタイム
Marché de la Condamine
コンダミーヌ市場
バスを降りて、大公宮殿のあるモナコ・ヴィルに向かう前に、こちらのマルシェ「Marché de la Condamine(コンダミーヌ市場)」で遅めのランチタイムをとりました。
マルシェのランチは、前日にスミレの村で出会ったマダムに美味しいと勧められて行きました。
コンダミーヌ市場の雰囲気は、このような感じです。
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私たちが食べたのは、こちらの「Truffle Gourmet」というイタリアンです。
写真はマルシェが閉まる頃に撮ったのでガラガラですが、ランチタイムは満席でした。
小さな市場の中にあるお店で、カウンターとテーブル席が少しありました。
私はリングイーネのトリュフソース、ダンナさんはボロネーゼを選びました。
食べかけですみません。。。
ニースで食べたパスタは茹ですぎでしたが、ここはしっかりアルデンテ。
しかも生パスタなのかモチモチしていて食感も好みでした。
とにかくリングイーネのトリュフソースはトリュフがたっぷりのっていて、味も素晴らしく美味しかったです。
モナコにありながらリーズナブルな価格でトリュフが食べられ、ここの料理を食べにまたモナコを訪れたいと思えるほど満足しました。
ダンナさんから一口もらったボロネーゼも美味しかったです。
スミレ村で出会ったマダムに感謝ですね。
コンダミーヌ市場の場所
モナコの中心 Monaco-Ville(モナコ・ヴィル区)
モナコの中心で大公宮殿や下町情緒あふれる旧市街など見どころたくさんの「Monaco-Ville(モナコ・ヴィル区)」について紹介いたします。
モナコ・ヴィルについて
モナコ市街地、大公宮殿・政府のある中心地区で、事実上の首都です。
モナコといえばの景色ですね!
モナコヴィルの岩山は、かつて天然の要塞の役割を果たしていました。
このあたりは、かつて砦として敵を迎え撃った場所です。
モナコは長い間、フランスやイタリアと戦ってきました。
モネガスク(モナコ人)
モネガスクとは、モナコの国籍を持つ人々(モナコ人)のことをさします。
モナコは世界の国々と調和して生きており、人口の大多数を占めているのは125の異なる国籍の人々なのです。
- フランス人:40%
- イタリア人:17%
- イギリス人:5%
旧市街は、外国人が暮らすことがほとんど許されていないそうです。
しかも、モネガスクは国から家賃の補助を受けたり、就職でも優先されるなど、さまざまな面で優遇されています。
したがって、モナコに住む外国人は、みなモネガスクになりたい。つまり、モナコ国籍がほしい…と思っているそうです。
しかし、モナコ国籍を得ることはとても大変で、以下のような条件が必要なのだとか。
- 先祖代々モナコに住んでいること
- 前科が無いこと
- 大公の許可がいる
モナコに住むだけで大変なのに。。。
それだけ、モネガスク(モナコ人)は守られているのですね。
そうでなければ、住民のほとんどが外国人という状況の中で調和して生きていけないのでしょう。
余談ですが、大公をはじめとするモネガスクの人々は、カジノでプレイすることが禁じられています。
モナコ大公が暮らす宮殿「モナコ大公宮殿」
Le Palais Princier de Monaco
モナコ大公宮殿
いよいよ、モナコ大公が暮らす「モナコ大公宮殿」に向かいます。
向かう途中、登りの階段を振り返るとモナコの街が見えます!
城壁から見下ろす湾岸地区の景色も綺麗でした。
大公宮殿に到着しました!
腹痛の影響で、モナコ入りしたのが既に11:00を過ぎていたため、残念ながら衛兵交替を見逃してしまいました。
衛兵交替は見逃してしまいましたが、衛兵さんはしっかり撮ってきました!
制服姿がかっこいいですね!
その他、大公宮殿周辺で撮った写真を載せておきます。
※ 画像をクリックまたはタップで大きく表示できます
ベンチの脚が大砲の玉(弾)になっているのが面白いですね!
下町情緒あふれるモナコの旧市街
下の写真は宮殿前広場ですが、ここのアーチからモナコの旧市街へ向かいます。
宮殿前から延びる何本かの路地は中世から続く古い通りで、200メートル四方しかありませんが、迷路のように入り組んでいます。
このあたりは、観光客のためのお土産物屋さんやレストランがたくさんあります。
住民らしい人を発見しました!
カジノ・リゾートのあるモンテカルロ地区の華やかさとは違った趣たっぷりの路地も素敵ですね。
人々の暮らしといろいろなお店がごく自然に入り交じっています。
そうかと思えば、やはりモナコであることを実感してしまう素敵なマダムを発見したり。
上の写真のマダムは、身につけているもの全てが上質そうで、頭から足元まで完璧な装いでした。
旧市街からモナコ大聖堂に向かう途中で、赤い建物が可愛らしい郵便局を発見しました。
右側に見えるのが郵便局の建物です。
郵便局の看板がかわいいですね!
下の、このおとぎ話に出てきそうな建物は何だろう?と思ったら、Palais de Justice(裁判所)でした。
モナコは犯罪が少ないから裁判官も暇そうでした。
外でのんびりタバコを吸っている裁判官もいました。笑
こちらは、モナコ大聖堂の近くで見かけた噴水と、Saint Nicolasという聖人の像です。
グレース・ケリーが眠る「モナコ大聖堂」
Cathédrale de Monaco
モナコ大聖堂
モナコ大聖堂は、ロマネスク・ビザンチン様式の美しい大聖堂で、結婚式、お葬式、戴冠式など、モナコの大切なイベントが行われる場所です。
横から見た大聖堂も美しく、これほど奥行きのある建物だとは知りませんでした。
グレース・ケリーの物語
グレース・ケリーについては前回の記事でも少し触れましたが、今回は調べたことを元にもう少し深く書いてみます。
ここから少し長くなります。
グレース・ケリーとレニエ大公の出会いのきっかけになったのは、ヒッチコック監督の映画「泥棒成金
その舞台のひとつがモナコでした。
この映画はグレース・ケリーの美しさはもちろんのこと、風光明媚な南仏コートダジュールの風景がたくさん見られるので、映画好きもしくはフランス好きなかたには是非とも観ていただきたい名作です。
\ Prime Videoでも視聴ができます /
グレースは、アイルランド系の裕福な家に生まれ、アカデミー賞を受賞し、映画女優としての頂点にいました。
レニエ大公は出会ってすぐ熱烈にプロポーズをし、半年後にはグレースの両親から結婚の許可を得ました。
しかし、おとぎ話のお姫様と違い、グレースにはモナコ王妃としての重責が課せられていました。
伝統あるヨーロッパの王家にアメリカの女性が嫁ぐことは容易なことではなく、苦労が多かったはずです。
ですが、グレース王妃はすばやく完璧になしとげ、優しさ、善良さ、カリスマ性など彼女の魅力を最大限に活かして、モナコの繁栄と輝きのためにさまざまな活動をし、偉大な貢献をしました。
グレースの知名度により、地中海の小国モナコは世界の首脳が集う政治の舞台としても大きな役割を果たすようになりました。
グレースはとても多忙だったそうですが、公務の疲れをなぐさめたのは3人の子どもたち。
グレースの長男であり、現大公のアルベール2世がこのような言葉を残しています。
母親としてのグレースは、どんなに忙しくても子どもたちに対しては常に気を配り、いつも近くにいてくれたので忙しい母を持っていると思ったことは一度もありませんでした。一緒に遊んだりアドバイスをしてくれたりする時間は必ず取ってくれました。私たち3人は愛情たっぷりのこの上ない環境に育ったと思っています。
アルベール大公の優しく穏やかな雰囲気が、大切に育てられたことをよく物語っているな・・・と、思いました。
大公のお妃も綺麗なかたで、ご夫婦の写真はモナコの至る所で見かけました。
子どもが大好きだったグレースは、孤児たちを救う施設を作り、毎年クリスマスには宮殿に子どもたちを招きました。
その温かいまなざしは、お年寄りや病人など弱い立場の人にも向けられました。
モネガスク(モナコ人)はもちろん、グレースに会ったことがない世界中の人々までも彼女の人柄に心を打たれたそうです。
私もそのうちの一人です。
しかし運命は残酷なもので、悲劇がおこります。。。
1982年9月13日 朝。
一家は、モナコから離れた山の別荘で過ごしていました。
グレース王妃はステファニー王女とともに別荘から宮殿に向かっていました。
珍しく王妃自身がハンドルを握っていたそうです。
運転中の脳出血により、グレースが運転していた車は崖から転落。
王妃は翌日、息を引き取りました。
享年52歳。
世界中がその死を悼みました。
亡骸は、歴代の大公たちの眠るモナコ大聖堂に埋葬され、そのお墓には今も花が絶えることはありません。
ビジネス区 Fontvieille(フォンヴェイユ区)
モナコの新しい地区。埋め立て地であるビジネス区「Fontvieille(フォンヴェイユ区)」について紹介いたします。
フォンヴェイユ区について
フォンヴェイユ区は、カジノ立国から脱却するための新たな戦略のために作られたビジネス地区です。
海を埋め立ててモナコの国土の16%にあたる土地を増やしました。
モナコのビジネスについて
狭い国土を拡張したことで工業地帯を生み出し、カジノに依存せず多角的な経済システムを作るというのがモナコの新しい戦略でした。
狭い国土に40以上の銀行があり、新規事業を興すにも国際投資にも便利なシステムを整備したのです。
工業地帯だけど、煙突やパイプは目立たないようにビルの中にあるんだよね。
あと、環境に配慮した企業でなければ工場を建てられないみたい。
そのおかげで、国庫収入の約95%を占めていたカジノの収入は現在ではわずか4%。
国の収入の四分の一は企業からの法人税などに変わってきたため雇用が保証され、モナコの失業率はほぼゼロとなっているそうです。
グレース王妃のバラ園
モナコ大公は、この場所が工業地帯でありながらも、緑や自然を残して心休まる地中海の村にしたいとも考えました。
この地区には、グレース王妃の追悼のために作られた「グレース王妃のバラ園」があります。
私は残念ながら時間が足りず訪れることができませんでしたが、このバラ園は人々の憩いの場所になっているそうです。
150種類以上のバラが咲き競う庭園には、王妃のために作られたバラ「グレース・ド・モナコ」もあります。
バラ園を訪れるためにも、モナコはぜひ再訪したいです!
ASモナコのホームスタジアム「スタッド・ルイ・ドゥ」
Stade Louis II
ルイ2世スタジアム
周辺のマンションと混ざり合って、どこにスタジアムがあるのか分かりづらいかもしれませんが、この新しく埋め立てられたビジネス地区には、ASモナコのホームスタジアム「スタッド・ルイ・ドゥ」があります。
上の写真はスタジアムの遠景ですが、欧州サッカーファンのダンナさんが大喜びでした。
「スタッド・ルイ・ドゥ」は「ルイ2世スタジアム」の意味で、モナコ大公ルイ2世にちなんで名づけられました。
ここも時間があまりなく遠景を眺めただけでしたが、いつかこのスタジアムでもサッカーの試合が観たいです!
モナコ vs パリの試合が観たいな〜!
人気のカードだね。チケット取れるかな!?
治安の良さは世界一!?モナコが安心・安全な国である理由
モナコの魅力はたくさんありますが、なんといっても治安の良さがモナコの最大の魅力だと思います。
外は暗くなりかけていましたが、このように女の子が一人で歩いていても安心・安全な空気が感じられました。
過去何年も凶悪な犯罪は起きておらず、スリや置き引きもめったに無いそうです。
24時間作動している320台の監視カメラ、500人の警察官がいつも目を光らせているのです。
モナコの警察の方針は犯罪の予防で、監視カメラは人目につくように設置されており、不審者がいればすぐに警官がかけつけてくるようです。
プロの犯罪者でも、モナコで悪事を働こうなんて思わないでしょうね。
こんな綺麗なところに犯罪は似合わない。
ここ数年、モナコに移住を希望する人が増えているそうです。
小さな子どもを持つ親にとって、モナコは安心して子育てができる国でもあるそうです。
世界中の治安が悪化している中で、安全な国であるということはとても重要です。
住宅地からも明るい雰囲気が感じられました。
モナコの最大の魅力は、カジノや豪華なホテル以上に、住んでいる人や訪れる人に平和や安全という宝石のように大切なものを与えてくれるところだと思います。
帰路 モナコからニースへ
すっかり日が暮れ、モナコともいよいよお別れです。
また鉄道を利用してニースへ戻ります。
モナコの駅ホームはやっぱり美しいですね。
帰りは綺麗な車両で、しかもグリーン車のような2階建てでした。
行きのオンボロ列車と料金が変わらないのが不思議です。
フランス国鉄、ゆるいなぁ。笑
ニースに着いてからは、旅の最終夜ということでホテルのレストランでディナーをしました。
私はニース風サラダ、ダンナさんはお魚料理をオーダーしました。
残念ながら写真は撮りませんでしたが、とても美味しかったです!
モナコ公国まとめ
モナコは小さいですが、知れば知るほど魅力的な国です。
日本以上に安心・安全で、これほど外国人がリラックスして過ごせるヨーロッパは、そうそうないのではないでしょうか。
フランス、イタリアにも近いので、新婚旅行や初めてのヨーロッパ旅行にも大変おススメな国だと思いました。
出発前の腹痛さえなければもっとゆっくり回れたのにと思うと心残りがありすぎですが、モナコはまた訪れたいと思ったくらいなので、むしろ心残りができて良かったのかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
À bientôt! (またね!)