こんにちは、Madoriです。
2023年9月17日〜23日、ANAマイル(特典航空券)を利用して、6泊7日の北海道旅行に出かけました。
今回は、北海道旅行の函館ドライブ編で、函館市郊外にある「トラピスチヌ修道院」を訪れたときの様子をお届けします。
トラピスチヌ修道院は1898年(明治31年)に日本で初めて設立された女子修道院です。
現在の聖堂は1927年(昭和2年)に再建されたもので、レンガの外壁や半円アーチの窓が特徴的で、ゴシックとロマネスク様式が調和したデザインが目を引きます。
修道院内は男子禁制ですが、一般向けに開放されたエリアには前庭や資料室があり、売店に併設された資料室では修道院の歴史や修道女の生活を紹介しています。
また、ここでしか購入できない手作りのマダレナケーキやクッキーも人気のお土産です。
記事の前半では、トラピスチヌ修道院の創立の背景や活動内容について説明しています。
実際に訪れたときの写真や様子をすぐに見たい方は、以下のボタンをクリックしてください。
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旅程は、以下のとおりです。
- 2023年9月17日〜23日 北海道函館、洞爺湖 旅程
羽田空港 第2ターミナル発〜函館空港着
土方歳三最期の地碑とベイエリア
五稜郭と夜のベイエリア
元町散策
函館山・立待岬・トラピスチヌ修道院・トラピスト修道院・男爵ラウンジ
ザ・ウィンザーホテル洞爺
新千歳空港発〜羽田空港 第2ターミナル着
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トラピスチヌ修道院について
トラピスチヌ修道院は、1898年(明治31年)に設立された日本で最初の女子修道院です。
この修道院は、函館市郊外の自然豊かな環境に位置し、祈りと労働を中心とした修道生活が営まれています。
修道院は、フランスから派遣された8人の修道女によって設立され、現在もフランスのトラピスト会(厳律シトー会)の伝統が守られています。
正式名称
トラピスチヌ修道院の正式名称は「厳律シトー会 天使の聖母トラピスチヌ修道院」です。
厳律シトー会とは
「厳律シトー会」は、カトリックの修道会で、正式には「厳律シトー修道会(O.C.S.O.)」と呼ばれます。
厳律シトー修道会は、カトリック教会の一部で、祈りと労働によって神と人々に仕える修道会です。
この修道会は1098年(平安時代/永長・承徳2年)、フランスのシトーと呼ばれていた荒地に聖ロベルトら20名ほどの修道者たちが創立しました。
それがシトー修道院です。
その後、1125年(平安時代)頃には最初の女子修道院も設立され、やがて修道会の生活様式は西ヨーロッパ各地へと広がっていきました。
修道会は発展を続けましたが、時代とともに規律が緩む時期もあり、そのたびに改革が行われました。
特に17世紀にフランスのラ・トラップ修道院で行われた改革が有名で、これを受けて1892年(明治25年)にいくつかの修道会が合併して「厳律シトー修道会」となりました。
現在、修道会は世界各地に広がり、修道者たちは聖ベネディクトの戒律に従い、祈りと労働に専念した生活を送っています。
厳律シトー会の修道士は「トラピスト」、修道女は「トラピスチヌ」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、男子修道院「厳律シトー会 燈台の聖母トラピスト修道院」が隣の北斗市にあります。
修道院創立の背景
設立年 | 1898年(明治31年) |
---|---|
創立者 | フランス・ウプシー修道院から8名の修道女が来日し、4月30日に「天使の聖母トラピスチヌ修道院」を創立 |
修道院の特徴と活動
トラピスチヌ修道院は、厳格な「沈黙」と「禁欲」を守る生活を送る女子修道会であるトラピスト会(厳律シトー会)に属しています。
このため、修道女たちは外界との接触を極力避け、自給自足を目指した生活を行っています。
修道女たちは祈りに多くの時間を捧げ、手作業でチョコレートやクッキーを製造・販売していることでも知られています。
これらの製品は観光客にも人気が高く、修道院を訪れる際のお土産としても親しまれています。
修道院の建物と周辺
修道院の建物はヨーロッパ風の荘厳な外観で、美しい庭園に囲まれています。
観光客が訪れることができるのは修道院の敷地内の一部(主に展示スペースや売店)に限られており、修道女たちの生活区域には入れません。
修道院前園では、季節ごとに異なる美しい風景が楽しめます。
著名な関係者
童謡「赤とんぼ」の作詞者である詩人の三木 露風が修道院を訪ねて「野薔薇」を書き、山田 耕筰作曲の日本歌曲として親しまれています。
トラピスチヌ修道院の観覧
お待たせしました!それでは、これからトラピスチヌ修道院を観覧したときの様子をお届けします。
修道院は、庭園や資料室を一般に公開しています。
ただし、ここは観光地ではなく、厳粛な「祈りの場」です。
敬意を持って静かに見学しましょう。
空撮写真とジオラマ
まずは、トラピスチヌ修道院の空撮写真とジオラマを見てみましょう。
この空撮写真を見ると、日本とは思えないほど広大な自然の中にお城のような建物があります。
郊外にありながら、函館市内に位置し、空港や湯の川温泉もすぐ近くにあるとは驚きですよね。
大天使聖ミカエル像
門を入って最初に目に入るのが、フランスから贈られた大天使聖ミカエル像です。
大天使聖ミカエルは、悪と戦う戦士であり神の忠実なしもべとして知られています。
余談ですが、こちらはフランスのパリ5区、カルチエ・ラタンのシンボル的存在の聖ミカエル像です。
日本にキリスト教を伝えた聖フランシスコ・ザビエルは、聖ミカエルを日本の守護者としました。
この像には、「悪魔の誘惑に負けず、正しい生活を送るために聖ミカエルの保護を求めて祈りましょう」という願いが込められているのでしょう。
聖ミカエルは、日々の困難を乗り越えるための手助けをしてくれると信じられています。
慈しみの聖母マリア像
大天使聖ミカエル像の奥に立つ純白の慈しみの聖母マリア像は、両手を広げすべての人を優しく迎え入れるような姿が印象的です。
この像は、トラピスト修道院の発祥地であるフランスのノルマンディー地方、ラ・トラップ修道院のマリー・ベルナルド神父が手がけた作品で、日本に寄贈されました。
その優しげな佇まいから「慈しみの聖母」として多くの人々に親しまれています。
修道院前庭園
トラピスチヌ修道院を訪れる際にぜひ注目したいのが、丁寧に手入れされた美しい修道院前庭園です。
ここは一般に公開されており、誰でも静かに散策を楽しめる場所となっています。
また、庭園からはレンガ造りの聖堂や美しい建築物が見え、ゴシックとロマネスクが融合した荘厳なデザインを間近で楽しむことができます。
修道院を囲む自然も豊かで、季節ごとに美しい風景が広がり、春には花が咲き秋には紅葉が彩りを添えます。
庭園は、静かな祈りと心の安らぎを感じられる場所でした。
ルルド
ここは、南フランスにあるルルドの洞窟を再現したもので、聖母マリア像は「ルルドの聖母」として親しまれています。
また、聖母マリアを見上げてひざまずく少女ベルナデッタの像があり、訪れる人々が祈りを捧げます。
1858年(江戸・安政5年)、聖母マリアがフランス・ルルド近くのマッサビエルの岩窟で、14歳の少女ベルナデッタ・スビルーの前に18回現れました。
少女ベルナデッタが聖母マリアのお告げを受けて掘り当てた泉は、さまざまな病を癒したと伝えられています。
こうした奇跡の水への信仰から、世界中の多くの教会や修道院にルルドが設けられています。
聖テレジア像
トラピスチヌ修道院の司祭館の左手前には、1936年(昭和11年)にフランスから贈られた聖テレジア像があります。
聖テレジア(テレーズ)は1873年(明治6年)にフランスで生まれ、15歳でノルマンディー地方にあるリジューのカルメル会に入会しました。
本名は、マリー・フランソワーズ・テレーズ・マルタン。修道名は、「幼きイエスと尊き面影のテレーズ」。
目立つことのない日常の中で、イエスへの深い信仰心を持ち、つつましく修道生活を送り、他の修道女たちの模範として敬われました。
24歳で亡くなった後も、自叙伝『ある霊魂の物語』は多くの言語に翻訳され、彼女の名前はフランスだけではなく世界中に広まり、彼女の親しみやすい思想が多くの人々に支持され人気が高まりました。
現在でも「テレジア(テレーズ)」という名は洗礼名として高い人気があるそうです。
マザー・テレサ(コルコタの聖テレジア)の「テレサ」という修道名はテレーズの名からとられています。
本館
こちらは修道院の本館で、1927年(昭和2年)に再建されました。
デザインには、半円アーチの窓などのゴシック様式とロマネスク様式が取り入れられています。
これらの様式が組み合わさることで、修道院は荘厳で美しい印象を与えています。
司祭館
修道院本館の正面左側にある建物は、1913年(大正2年)に建てられた司祭館です。
この司祭館は、修道女の信仰生活を指導するために男子のトラピスト修道院や司教の任命により派遣された司祭たちが利用しています。
聖堂と鐘楼
司祭館の右側にある丸みを帯びた壁の部分は修道院の中心である聖堂で、修道女たちの生活においても重要な場所です。
この聖堂では、毎日ミサが行われ、7回の共同体の祈りも捧げられています。
屋根の上の小さな塔は鐘楼で、ミサや共同体の祈りが始まるとき、また仕事の終わりのときに、大きな鐘と小さな鐘の2つが鳴らされます。
ジャンヌ・ダルク像
聖堂の壁にある、旗と剣を持った女性の像はフランスから贈られたジャンヌ・ダルクです。
彼女は15世紀の百年戦争でフランス軍と共に戦ったものの、不正な宗教裁判で処刑されました。
しかし、死後に彼女の無実が証明され名誉が回復されたため、聖女として敬われるようになりました。
神と人々のために命を捧げたジャンヌ・ダルクは、修道女たちのシンボルとしても大切にされています。
フランスの英雄で、若い時から神の啓示を受けてフランス軍を指導。特にオルレアンの戦いでの勝利が有名。現在では多くの信者にとって信仰の象徴とされている。
トラピスチヌ修道院の修道女の生活
トラピスチヌ修道院の修道女は、午前3:30に起床し、午後7:45に就寝します。
それまでの間は、読書や祈り、労働をして過ごします。
資料館には修道女の一日を描いたイラストとタイムスケジュールが展示されていましたが、それを見ているうちに思わず涙がこぼれてしまいました。
祈り
生活の中心であるミサ(聖体祭儀)と一日7回の聖務日課を共同で行い、神を賛美し感謝の祈りをささげます。
祈りを通して、世界の喜びや悲しみ、苦しみを神のもとに届けます。
労働
修道院では、創立者の精神に従い汗を流して働く肉体労働(手仕事)を大切にしています。
修道女にとって労働は、社会で働く人々や失業中で働けない人々、働いていても支援が必要な人々と連帯するものであり、神の創造に参加する行いです。
読書
修道女にとって読書は、神の言葉を通じて神と対話し深い祈りにつながるものです。
静かに神の言葉を噛みしめながら読み、神の声に耳を傾けることで神と共に生きる親しい交わりへと導かれます。
トラピスチヌ修道院の天使園(資料館・売店)
大天使聖ミカエル像の右奥の建物「天使園」は、資料館と売店です。
資料館では、修道院の歴史や修道女の日常についての資料が展示されています。
売店には、修道女たちが祈りと労働を込めて作ったお菓子や手工芸品が並び、訪れた人に分かち合われています。
クッキーとチョコレート
トラピスチヌ修道院で買った購入品を紹介します。
人気のお菓子はマダレナケーキですが、私たちはクッキーとホワイトチョコレートを購入しました。
クッキーは2種類で、ココナッツとプレーンがあり、どちらも美味しそうだったので両方買うことにしました。
どちらのクッキーも、「神様があなたを祝福し、豊かな恵みで満たしてくださいますように」というメッセージが書かれたシスターの手作りの袋に入っています。
原材料は、小麦粉、バター、粉糖のみで、ココナッツクッキーにはココナッツと卵も使われています。
どちらのクッキーもシンプルな味わいでとても美味しかったです。
ココナッツクッキーは表面がザラザラとして、こちらも美味しいです。
こちらはホワイトチョコレートですが、中のパッケージに「恵みと平和がありますように」というメッセージが書かれています。
修道女が厳選した素材を使って作ったホワイトチョコレートは、濃厚なミルクの風味が楽しめます。
一粒ずつ大切にいただきました。こちらも美味しかったです。
- プレーンクッキー:¥420
- ココナッツクッキー:420
- ホワイトミルクチョコレート:¥400
トラピスチヌ修道院の地図とアクセス
〒042-0914 函館市上湯川町346
0138-57-2839
9:00~11:30 / 14:00~16:30
休日:年末年始
無料
JR函館駅からシャトルバスで約37分
JR函館駅から車で約25分
なし
専用の駐車場はありませんが、隣接の「市民の森」有料駐車場、「市民の森(売店専用)」の無料駐車場があります。
有料駐車場の料金は200円です。
トラピスチヌ修道院まとめ
トラピスチヌ修道院は、観光できるエリアは限られていますが、美しいレンガ造りの建物と庭園は一見の価値があります。
また、修道院では手作りの人気のお菓子やクッキーも販売されており、甘いもの好きにはたまらないスポットです。
函館でドライブを楽しみながら、ぜひトラピスチヌ修道院にも立ち寄り、その素晴らしい雰囲気と美味しいお菓子を味わってみてください。
また、歴史的な背景と活動内容を知ると、より訪れる楽しみが増えると思いますよ。
この記事が、みなさまの旅行の参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き北海道旅行記をお楽しみください!
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