こんにちは、Madoriです。
2022年9月19日〜21日、ANAのトクたびマイルを利用して、2泊3日の北海道旅行に出かけました。
この旅は急に決めた旅行で短い滞在でしたが、北海道を存分に楽しむことができて、たいへん満足な2泊3日でした。
今回は小樽観光のつづきです。
前回はカメラの標準レンズが壊れたことで、観光の途中に一旦ホテルに戻ったところまで紹介いたしました。
今回は、小樽駅前から真っすぐ続く中央通りからのスタートです。
私たちは建築散歩が好きで、特に旧銀行などの重厚感のある美しい建築を鑑賞することに喜びを感じます。
この旅では他に小樽芸術村の建物にも訪れ、その優美さに感動しました。
また、レトロな出抜小路ではノスタルジックな気分に浸ったり・・・。
今回は、これらの魅力的な建造物を多くの写真とともに紹介しています。
カメラは望遠レンズに付け替えました。
そのため、本記事に載せている写真はカメラで撮ったものよりスマホで撮影したものが多めです。
この旅の日程は以下のとおりです。
- 2022年9月19日〜21日 北海道小樽、神威岬 旅程
羽田空港 第2ターミナル発〜新千歳空港着
小樽市内
積丹町 神威岬
新千歳空港発〜羽田空港 第2ターミナル着
今回は小樽観光編の第二弾です。それではさっそく紹介いたしますので、最後までお読みいただけると幸いです。
今回紹介する場所
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小樽市観光物産プラザ 「運河プラザ:旧小樽倉庫」
中央通り沿いにある運河プラザは、小樽市指定の歴史的建造物である「旧小樽倉庫」をリノベーションした小樽市観光物産施設です。
この建物は1893年(明治26年)に建てられ、小樽の街を代表する「木骨石造」の建物です。
石積みの外壁と寄棟の瓦屋根が、古き良き時代の雰囲気を感じさせる、重厚な建物です。
あいにく館内の写真はこの中庭しか撮ることができませんでした。
運河プラザは、観光案内所やお土産店、休憩所として人々に親しまれています。
お土産店で小樽の歴史的建造物のポストカードを見つけたので5枚購入しました。
- 上左:旧三井銀行小樽支店
- 上中:日本銀行旧小樽支店
- 上右:旧百十三銀行小樽支店
- 下左:旧共成(小樽オルゴール堂)
- 下右:旧日本郵船小樽支店
どれも可愛いので観賞用です!
額に入れて飾りたいね!
アクセスと営業時間
〒047-0031 北海道小樽市色内2-1-20
0134-33-1661
9:00〜18:00
無休
歴史と芸術が響きあう「小樽芸術村」
「小樽芸術村」は、北海道で誕生したニトリグループが2016年7月に開設した、4つの歴史的な建物が集まってできた複合的な芸術空間です。
ここは、20世紀前半の小樽の栄華の時代に建てられた4つの建物に、その時代に輝いた日本や世界の素晴らしい美術品や工芸品を展示しています。
小樽芸術村では、訪れる人々に豊かな気持ちと感動を味わっていただき、文化と芸術の素晴らしさを広く世界に伝えていく場所を目指しています。
小樽芸術村
小樽ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫・旧荒田商会)
まずは、ステンドグラス美術館として使われている建物の歴史についてふれていきましょう。
1923年(大正12年)に政治家であり豪商としても知られた高橋 直治によって建てられた旧高橋倉庫は、小豆を収めるための倉庫でした。
倉庫の外壁には「小樽軟石」と呼ばれる石材が使用されています。
「軟石」は名前のとおり軟らかい石材のこと。小樽軟石は水中火山が噴出してできたもので、地層ごとに異なる色や縞模様があるのが特徴です。かつて小樽市内の桃内や天狗山・富岡など複数の地区から産出されており、総称として「小樽軟石」と呼ばれています。
隣に位置する旧荒田商会は、1935年には海運業を営んでいた荒田太吉商店の本店事務所として建てられました。
この木造建築は左右対称の正面を持っています。
ステンドグラス美術館では、19世紀後半から20世紀初頭にイギリスで作られた実際の教会の窓を飾っていたステンドグラス約100点を展示しています。
ぜひ美術館に足を運んで、美しく荘厳な光の中で特別な雰囲気をお楽しみください。
神とイギリスの栄光
1919年頃 イギリス
第一次世界大戦の戦勝記念と犠牲者の追悼のために制作されました。イングランドの守護聖人、聖ジョージがキリストから王冠を受け、両脇にはアイルランド、スコットランド、ウェールズの守護聖人やともに戦ったフランスを表す聖ニコラウス、聖女ジャンヌ・ダルクの姿も見られます。
種まく人
19世紀末〜20世紀初め イギリス
イエスが話した例え話を描いた作品です。蒔いた種が鳥に食べられたり、石だらけの道で枯れてしまったり、芽が出ても周りの茨に覆い尽くされてしまったりすることがあるが、言葉を聞いて悟る人は良い土地のようなもの。素直な心で神に向き合うことは多くの実りを得ると説きました。
カンタベリー物語
19世紀末〜20世紀初め イギリス
14世紀のイングランドの詩人、ジェフリー・チョーサーが書いたカンタベリー物語をもとに制作されました。巡礼に向かう様々な階層の人々が語った話としてまとめられた物語です。貴族や聖職者、農民、職人と見られる人々が列をなしてカンタベリー大聖堂へ巡礼に向かい進んでいます。
最後の晩餐
1901年頃 イギリス
アラン・バランタイン&ガーディナー工房
イエスがユダの裏切りを知りながら、弟子たちと過越祭に最後の食事をとる場面です。イエスは静かにパンを裂いて弟子たちに与えますが、この中に裏切り者がいるというイエスの言葉に弟子たちは驚いた表情をしています。ユダは、腰に裏切りで得た銀貨30枚を入れた袋を掲げています。
磔刑図
1890年〜1900年頃 イギリス
5本の高窓で構成され、十字架に架けられるイエスの姿を中心に聖母マリアや弟子のヨハネ、イギリスにゆかりの深い聖人たちが描かれています。中央の窓が最も大切な図柄で、教会の権威を表す十字架のついた球体を手にした神が、輝く光、マンドーラの中に立っています。
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(出典:小樽芸術村公式サイト)
旧三井銀行小樽支店(重要文化財)
国の重要文化財に指定されている旧三井銀行小樽支店の建物は、当時の欧米の様式を取り入れた洗練された建築デザインが目を引きます。
旧三井銀行小樽支店は1927年(昭和2年)に完成し、小樽市の最後の都市銀行として2002年まで営業していました。
外壁には岡山県北木島で産出した花崗岩が使われ、軒には植物をモチーフにした飾りが施されています。
建築は鉄骨鉄筋コンクリート造で、当時の最新技術を駆使した耐震構造が採用されました。
また、小樽が金融の中心地として歴史的な役割を果たしたことも評価され、2022年2月に国の重要文化財に指定されました。
見どころとして、13世紀の伝統的技法を用いたフランス製ステンドグラスとアールヌーヴォーの美しいランプも展示されています(2019年8月より)。
小樽で見た歴史的建造物の中で、個人的にこの建物がいちばん好きです。
貸金庫室
貸金庫室は貸出用の金庫棚が新装されている他は、ほとんど建設当時のままです。また、天井の装飾を間近に見ることができます。
貸金庫回廊
旧三井銀行小樽支店の貸金庫室は地下にあるため、壁が冷えて夏は結露が発生します。そのため、結露を受けるための回廊が設置されました。回廊内には防犯のための合わせ鏡が設置されています。
会議室
唐革紙(からかわかみ)の壁紙やセーム革の椅子など、当時のまま良い状態で残っています。また、掛け時計はこの建物より古く、4代目もしくは5代目の明治30年代のものを今も使用しています。
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(出典:小樽芸術村公式サイト)
西洋美術館(旧浪華倉庫)
小樽運河のそばにある西洋美術館では、かつて倉庫として使われていた広々とした空間を利用して、欧米のステンドグラス、アール・ヌーヴォー、アール・デコグラス、そして家具などの西洋美術品をお楽しみいただけます。
エミール・ガレやルネ・ラリックの作品は特に有名で人気が高いですよね。
ドーム兄弟
1900年〜1920年 風雨樹林文ランプ
フランス東部ロレーヌ地方、ビッチュ生まれ。兄のオーギュスト・ドームはパリ大学で法律を学び、弟のアントナン・ドームはエコール・サントラルで技師の資格を取得。その後、2人は父のジャン・ドームが経営するガラス工場のガラス製造事業に加わり、日常的なガラス食器などを制作。1889年のパリ万博で、エミール・ガレが成功をおさめたことに触発され、芸術的なガラス工芸の道に転向。アール・ヌーヴォー様式の優美な作品を次々と世に送り出した。自然をモチーフに強いメッセージを放つエミール・ガレの表現とは異なり、万人に好まれる美しさを追求した。
エミール・ガレ
1918年〜1931年 オレンジ文ランプ
フランス東部ロレーヌ地方、ナンシー生まれ。父のシャルル・ガレは、ガラス器と陶磁器の販売・加飾の事業を営んでいた。その父から陶芸を学び、次いで木工・金工を手がけ、後にガラス工芸を主として制作した。リセ(高等学校)では詩と植物学に深い関心を寄せ、卒業後、ドイツのヴァイマールに留学。文学や哲学、植物学、鉱物学、建築学、装飾美術など幅広い知識と教養を身につけた。帰国後、ナンシーに自らの工房を創設し、ガラス制作に没頭。深い洞察力から生まれた、幻想的で詩情あふれる作品は、パリ万博をはじめ国内外で高く評価された。アール・ヌーヴォーの旗手であり、近代工芸界の巨匠。
ルネ・ラリック
1922年モデル 装飾パネル“OISEAU DE FEU”(火の鳥)
フランス、アイ生まれ。型ガラスの第一人者。豊かな自然に囲まれた小さな村で育った。16歳の時、父が亡くなり母のすすめで宝飾職人に弟子入り。宝飾デザイナーとして活躍。斬新なデザインのジュエリーを生み出し、1900年のパリ万博で一躍有名に。女優のサラ・ベルナールをはじめ多くのセレブたちをファンに持つ作家へと成長した。その後、香水瓶の製作をきっかけにガラス工芸に魅せられ、次々とガラス作品を制作。時代はアール・デコへと変わり、ラリックはジュエリー作家からガラス工芸家へと転身した。エミール・ガレやドーム兄弟のような華やかさとは異なり、ガラスの透明な美しさが引き立つ彫刻的な造形が特徴。透明なクリスタルグラスを使用し、工業化に伴い、型ガラスの道を切り拓く。その名は、1925年にパリで開催された現代装飾美術産業美術国際博覧会で全世界の脚光を浴びることとなった。
ガブリエル・アージー・ルソー
1925年 獅子文花器
フランス、メレ・ル・ヴィダム生まれ。パート・ド・ヴェールの巨匠。化学や物理を学んだ後、セーブル国立陶芸学校に入学。卒業後、パリ郊外に窯を開き、フランス語でガラスの練り粉と呼ばれる、パート・ド・ヴェール技法の研究を始めた。1914年、フランス美術家サロンへの出品を機に人気を博した。1921年にはパリにアージー・ルソー・パート・ド・ヴェール会社を設立。1931年に解散した後は、自身のアトリエで制作を続けた。ガラスの表面装飾や金属酸化物を混合させた彩色に高い技術を発揮し、人物や花、昆虫などのモチーフをアール・デコ様式で繊細に表現した。
ヴィクトール・アマルリック・ワルター
1920年〜1925年頃 カメレオン文トレイ
フランス、セーブル生まれ。パート・ド・ヴェールを代表する作家の一人。セーブル国立陶芸学校でパート・ド・ヴェールの基礎を学び、1903年頃より作品を発表。ドームに招かれ、1914年までドーム社で制作にあたる。パート・ド・ヴェールはガラスの粉末に植物性糊料を加え、ペースト状にしたものを鋳型に詰めて窯で焼き上げる制作方法である。第一次世界大戦後にはナンシーに自身の工房を設立。ベルジェら彫刻家や画家の協力のもと作品を制作し、昆虫や爬虫類、魚などをモチーフとした写実的で精緻な表現で極めて高く評価された。
- ▶︎をクリックすると人物の詳細が出てきます。
(出典:小樽芸術村公式サイト)
似鳥美術館(旧北海道拓殖銀行小樽支店)
似鳥美術館は、かつて大蔵省の建築家である矢橋 賢吉らが設計した旧北海道拓殖銀行小樽支店の建物を再活用しています。
ここでは、日本画、洋画、彫刻、そしてルイス・C・ティファニーのステンドグラスなど、国内外のさまざまなアート作品が展示されています。
この建物は鉄筋コンクリート造で、特に正面の円柱や営業室内の列柱が印象的です。
周辺には同じ時期に建てられた多くの銀行建築が今も残っており、これらは小樽の経済の活気を物語っています。
大好きなシャガールや藤田のコレクションもあるので、ここは外観だけではなく中にも入ればよかったと後悔しています。
小樽芸術村でゆっくり芸術鑑賞をするには時間が足りなかったね。
ルイス・C・ティファニー
光の芸術家ルイス・C・ティファニー作品のコレクション
オパールセントガラスや虹色に輝くファブリルガラスなど、創造的なガラスでアールヌーヴォーを牽引したルイス・C・ティファニーの代表的な教会ステンドグラス作品を中心に展示。100年以上の時を超えてて、今再び小樽で光輝きます。
マルク・シャガール
1960年 窓の前の恋人たちと花
故郷であるユダヤ地区の暮らしや家族、恋人たちなどを題材に、現実と夢が混ざり合う幻想的な世界を色彩豊かに描いたシャガール。本作は、彼が73歳のときの作品です。恋人たちや花など、シャガールが生涯を通じて好んで使用したモティーフが画面いっぱいに描きこまれています。
藤田嗣治
1949年〜1963年 カフェにて
エコール・ド・パリの寵児、藤田嗣治の後期の代表作。カフェの片隅で物憂げな表情を浮かべ、手紙を書く女が描かれています。同様の構図の作品がパリのポンピドゥーセンターに収蔵されています。
- ▶︎をクリックすると作品の詳細が出てきます。
(出典:小樽芸術村公式サイト)
小樽芸術村へのアクセスと情報
4館共通券 | 単館券 | ||||
西洋美術館 | 似鳥美術館 | ステンドグラス美術館 | 旧三井銀行小樽支店 | ||
一般 | 2,900 | 1,500 | 1,500 | 1,000 | 700 |
大学生 | 2,000 | 1,000 | 1,000 | 800 | 500 |
中学生 | 1,500 | 700 | 700 | 600 | 400 |
小学生 | 1,000 | 500 | 500 | 500 | 300 |
小学生 | 500 | 300 | 300 | 300 | 200 |
〒047-0031 北海道小樽市色内1-3-1(似鳥美術館)
0134-31-1033
9:30〜17:00(5月〜10月)/10:00〜16:00(11月〜4月)
毎月第4水曜日(5月〜10月)/毎週水曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始(11月〜4月)
レトロで趣のある「小樽出抜小路」
ここからは、小樽の屋台村「出抜小路」を紹介いたします。
出抜小路は名店が集まることで知られ、ここでは小樽の厳選素材を使用した看板料理が楽しめます。
その昔、小樽市の人々は色内大通りから一本海側にある通りを「出抜小路」と呼んでいました。
この名前の由来についてはっきり記されたものはないのですが、一説によれば運河に面した表側から荷物を運び入れ、そしてこの通りを使って荷物を運び出していた(抜いていた)ことから、この名前がついたとされています。
こちらは、小樽出抜小路のシンボルタワーである火の見やぐらです。
火の見やぐらの展望台は絶景スポットでもあり、小樽運河や港が一望できます。
夜は小樽の夜景が綺麗なんだろうね!
出抜小路の中に入ると、そこは古き良き時代の小樽の街。
明治・大正時代の風情を再現した屋台村は、訪れる人たちにどこか懐かしい雰囲気を感じさせてくれるでしょう。
こちらの中央にあるのは、出抜小路のシンボル「うだつ小僧」です。
うだつ小僧は、丁稚奉公から出発し、自分の事業で成功した小樽の成功者をイメージしたものです。
商売繁盛や立身出世を象徴しています。
写真映えもしますよ。
こちらは、えびす屋の人力車です。
小樽の街を歩いていると至るところでこの人力車を目にするのですが、お店は出抜小路にあったのですね。
アクセスと店舗一覧
天ぷら藏谷 | 金賞コロッケ 小樽運河本店 | 運河家 |
MOMO | 炉ばた屋鶴吉 出抜小路店 | 澤崎水産3号店 |
ワインバーCANAL | 澤崎水産1号店 | 小樽チュロス |
えびす屋 | 蔵運 | 小樽あんかけ焼きそば鶴龍 |
丸麺 うんが 小樽出抜小路 | ニッカバー リタ | ポプラファーム 小樽店 |
澤崎水産2号店 | 焼鳥 谷やん | おたる美食坊 大連食堂 |
北とうがらし |
〒047-0031 北海道小樽市色内1-1
「北のウォール街」と呼ばれた街に残る旧銀行の建築
小樽運河から山側に伸びる色内大通りや堺町通り、そして日本銀行旧小樽支店(現:金融資料館)がある日銀通りが交わるエリアには、昔「北のウォール街」と呼ばれていた時代に建てられた銀行の古い建物が多く残っています。
ここで紹介するのは、以下のとおりです。
旧三井銀行小樽支店
旧三井銀行小樽支店は、小樽の銀行街であった色内地区に位置しています。
三井銀行は小樽に早くから支店を設け、小樽が金融の中心地となるきっかけを作るなど歴史的に重要な役割を果たしました。
1927年(昭和2年)に建てられた現在の建物は、地方における早期の鉄骨鉄筋コンクリート造の例であり、金庫室や貸金庫には鋼板を使った防火防犯対策が施され、暖房などの設備も充実しています。
建物の半円アーチやルスティカの荒々しい仕上げの石張りは、イタリアルネッサンス期のパラッツオの様式を復興させたもので、当時の欧米で流行したスタイルを洗練されたデザインで取り入れています。
石造建築で壁の表面を滑らかにせず、目地(継目)を際だたせたり、石材面を突出させたり、凹凸を目だたせて、荒々しく力強い表情をもたせる技法のこと。
建築設計図書などがよく残っているのも貴重ですね。
旧北海道拓殖銀行小樽支店(似鳥美術館)
旧北海道拓殖銀行小樽支店の建物は、小樽が経済的に隆盛を極めていた時期に建てられました。
銀行ホールは2階まで吹き抜けで、6本の古典的な円柱がカウンターに沿って立ち、光に照らされた様子は圧巻です。
この建物は初期の鉄筋コンクリート造建築で、道内の主要な歴史的建造物の一つでもあります。
1996年(平成8年)には、小樽市都市景観賞を受賞しました。
日本銀行旧小樽支店(金融資料館)
日本銀行旧小樽支店の建物は、1912年(明治45年)7月に完成しました。
この建物は、赤レンガで有名な東京駅の設計者である辰野 金吾や長野 宇平治らがデザインしました。
外観はルネッサンス様式を取り入れ、屋根には5つのドームが配置されています。
外壁はレンガの表面にモルタルを塗り、石造り風に仕上げられています。
現在はこの建物を活用して、2003年(平成15年)5月に金融資料館を開設しました。
金融資料館では、この歴史的な建物の雰囲気を活かしながら、日本銀行の歴史や業務、金融の仕組みなどを分かりやすく紹介しています。
展示物を見ることで、日本銀行の役割だけではなく金融や経済について理解を深めることができます。
〒047-0031 北海道小樽市色内1-11-16
0134-21-1111
9:30〜17:00(4月〜11月)/10:00〜17:00(12月〜3月)
毎週水曜(祝日の場合は開館)、年末年始(12月29日〜1月5日)
入館料無料
旧北海道銀行本店(小樽バイン)
旧北海道銀行本店は、日銀通りに面した小樽市指定の歴史的建造物で、1912年(明治45年)に建てられました。
外観はルネッサンス様式で、設計したのは東京駅や日本銀行旧小樽支店を設計した辰野 金吾の弟子・長野 宇平治です。
旧北海道銀行はかつて小樽に本店を構えていた銀行で、「北海道銀行」とはまったく異なる存在でした。
1944年(昭和19年)に北海道拓殖銀行に吸収合併されて消滅し、その後、この建物は北海海運局や中央バスの本社ビルとして使用されました。
1996年(平成8年)からは「小樽バイン」というワイン&カフェレストランとして利用されています。
歴史的建造物を活かした空間で、優雅なひとときを過ごしてみたいですね。
旧百十三銀行小樽支店(小樽浪漫館)
日銀通りから少し離れた場所にある旧百十三銀行小樽支店は明治26年に建てられ、当初の店舗よりも南寄りにあり、業務拡大に応じて新たに建築されました。
特徴は、寄棟と瓦屋根、角地に玄関を持ち、ギリシャ建築の要素を取り入れた装飾が施されています。
小樽市の歴史的建造物に指定され、設計は池田 増治郎。
建物は元は石張りでしたが、後に外壁にレンガタイルが使われ現在の姿になりました。
北海道銀行への統合後、建物は住友銀行小樽支店として使用されました。
その後、閉鎖され、看板・デザイン会社や千秋庵という老舗菓子店が利用し、2003年(平成15年)には「小樽浪漫館」として雑貨やアクセサリーを販売し今に至ります。
次の記事で小樽浪漫館についてゆっくり紹介いたします。
旧安田銀行小樽支店
旧安田銀行小樽支店の建物は、こちらも日銀通りから少し離れていますが、JR小樽駅から中央通りを小樽運河方面に歩いていくと、左側に見えてきます。
大きすぎて建物全体の写真が撮れませんでしたが、このように重厚な円柱が特徴的なギリシャの建築様式を持つ、昭和初期の典型的な銀行建築です。
1970年(昭和45年)にこの建物は富士銀行に引き継がれ、それから新聞社の本社として使われていました。
その後、2001年(平成13年)には中央通りの道路が拡幅されたため、建物は斜めに移され同時に外観も修復されました。
現在は閉業しておりますが、 『花ごころ』というお寿司と海鮮が楽しめる飲食店が入っていたこともあるようです。
小樽郵便局
こちらは銀行建築ではありませんが、旧銀行が集まる日銀通りに面しているためあわせて紹介いたします。
小樽郵便局は、北海道で郵便事業が始まった1872年(明治5年)に信香町に郵便取扱所として設置され、それが始まりとされています。
建物自体は比較的新しく、1994年(平成6年)に完成しました。
この年に、小樽市都市景観賞(第7回)を受賞しています。
旧銀行の名建築マップ
小樽観光第二弾まとめ
小樽観光を存分に楽しむためのおすすめスポットとして、以上の場所をたくさんの写真と共にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回は、小樽で建築散歩をしたときの様子をメインに紹介いたしました。
小樽運河プラザ、小樽芸術村、小樽出抜小路、そして北のウォール街といった素晴らしい場所で、私たちは建築散歩を楽しみました。
旧銀行の名建築に感動し、小樽芸術村の美しい建物に魅了されっぱなしでした。
今回紹介した場所を、もう一度ふりかえってみましょう。
今回紹介した場所
北海道の中でも美しい建物と豊かな歴史が融合した小樽は、絶対に外せない観光スポットではないでしょうか。
本記事が、みなさまの旅の参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き北海道旅行記をお楽しみください!