2022年6月20日〜22日、箱根旅行の続きです。
富士屋ホテル滞在2日目の2回目に紹介するのは、昭和時代に建てられた『食堂棟』『花御殿』『フォレスト・ウイング』。
特に、箱根を象徴する花御殿は、外観の美しさもさることながら、内部もチャペルや博物館など見どころが沢山あります。
富士屋ホテルの建物は、5棟が国の登録有形文化財に指定されています。
- 本 館(明治24年)
- 西洋館(明治39年)
- 食堂棟(昭和 5年)
- 花御殿(昭和11年)
- 別館 菊華荘(明治28年)
今回も、美術館のようなホテルの様子を写真メインでお伝えしていきたいと思います。
もしよかったら、こちらもあわせてご覧ください。
長い記事になりますので、目次から読みたい箇所へジャンプしていただけたらと思います。
目次は開閉できます。
食堂棟
食堂棟は、1930年(昭和5年)竣工の、和を基調とした華やかな外観の建物です。
関東大震災(1923年 大正12年)後、7年を経て初めて大造営されました。
- 1階:鉄筋コンクリート造
- 2階:木造
下から見上げると、五重塔のような外観が、ひときわ目をひきます。
ホテルというより、神社仏閣のような造りです。
下は、富士屋ホテルを描いたオリジナルのポストカード。
食堂棟だけ、建物と一緒に撮るのを忘れてしまったので、ここに載せておきます。
メインダイニングルーム「THE FUJIYA(ザ・フジヤ)」
食堂棟という名のとおり、2階部分は富士屋ホテルを代表するレストラン、メインダイニングルーム「THE FUJIYA(ザ・フジヤ)」があります。
この、「THE FUJIYA(ザ・フジヤ)」は、同じ富士屋ホテル内のレストランでも、私たちが前日に食事をした「レストラン・カスケード」より敷居が高く、ドレスコードがあります。
- 男性:襟付きシャツ、ジャケット、パンツスタイル
- 女性:ワンピース、ジャケット、パンツスタイル
※ スマートカジュアル推奨
レストラン「ザ・フジヤ」内の様子は富士屋ホテル公式サイトやInstagramでもご覧いただくことができます。
646種の富士の野草などが描かれた格天井が美しいのだとか。
バー・ヴィクトリア
食堂棟には、他にもオリエンタルな雰囲気漂う「バー・ヴィクトリア」があります。
世界各国の銘酒をたのしめるバーのようです。
私たちはお酒が飲めないのでバーを利用したことはないのですが、いつかクラシカルで重厚な雰囲気を感じるだけでも利用してみたいですね。
17:00~22:00
- フードラストオーダー 21:00
- ドリンクラストオーダー 21:30
ホテル・ショップ
食堂棟の地下1階には、ホテル・ショップがあります。
富士屋ホテルのレストランの味を再現した人気のレトルトカレーや、このお店でしか買えない美味しいクッキーなど、お土産にもぴったりなオリジナル商品が並んでいて、眺めているだけでも楽しいです。
ホテル敷地内にあるベーカリー&スイーツ「ピコット」のパンやケーキも、こちらで買うことができます。
その他にも、ファッションアイテムや、フレグランス、コスメ、寝具、ルームウェアなども販売しています。
よく買うのは、レトルトカレー、クッキー、アロマオイル(エッセンシャルオイル)ですね。
今回は、ポストカードも買ったね。
富士屋ホテルのオリジナルエッセンシャルオイル
購入品の紹介については別記事にして紹介したいと思いますが、富士屋ホテルオリジナルエッセンシャルオイルがとても良い香りがするので、この場でも紹介いたします。
富士屋ホテルの中に入るといつも、ふんわりと優しく落ち着いた香りに迎えられます。
このオイルは、これら10種類の精油がブレンドされています。
ヒノキやレモンなどが含まれた爽やかで清涼感のある香りはリフレッシュ効果が抜群なので、日常にも取り入れたいですよね。
ホテル・ショップでもお買い求めいただけますが、オンラインショップでの取り扱いもあるので、富士屋ホテルオリジナルの香りをご自宅でもお楽しみいただけます。
私は訪れた記念にいつも買っています♪
世界最古の修道院薬局「CAMALDOLI – カマルドリ」の製品
リニューアルしたホテル・ショップでは、ホテルオリジナル商品以外にも面白いモノが並んでいたのですが、なかでも世界最古の修道院薬局「CAMALDOLI – カマルドリ」の製品に強く反応してしまいました。
パッケージの美しさはもちろんのことですが、陳列されている商品から漂う香りにとても癒されたのです。
カマルドリは西暦1012年にイタリアのトスカーナに創設された修道院で、思いを込めて育てたハーブを凝縮して軟膏やオイル、クリームを作り、病気や痛みに苦しむ人々を修道院に迎え入れ、処方していたといわれています。
1012年といえば、日本は平安時代だよねぇ。
写真がピンボケで申し訳ありませんが、こちらが並べられていた商品です。
結構良いお値段がするので購入は考えてしまいましたが、ハンドクリームのサンプルを試してみたら、とてもしっとりと滑らかで優しい香りがしました。
カマルドリの製品は、富士屋ホテル以外のこちらでもお求めいただけます。
花御殿
ここからは、いよいよ人気のある建築物と施設の紹介です。
花御殿は、昭和11年(1936年)に建築された千鳥破風(ちどりはふ)の屋根、校倉造り(あぜくらづくり)を模した壁が特徴的です。
この建物は箱根駅伝の中継でもよく映し出されるので、見覚えがあるかたも多いのではないでしょうか。
とても素晴らしい建物なので、写真だけではなく、ぜひ実際に訪れて肉眼でご覧いただきたいです。
曇天や雨天にも映える見事な建物ですね。
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夜の花御殿も綺麗だね!
花御殿 館内施設の紹介
ここからは、花御殿の館内の写真になります。
左に行くと花御殿、右に行くとフォレスト・ウイングで、いずれも昭和期に建てられた棟です。
花御殿にはホテル・ミュージアムもありますので、富士屋ホテルの歴史について学ぶこともできます。
宿泊者専用のドリンクコーナー
改修工事後に新しく設けられた、宿泊者専用のドリンクコーナーが花御殿の1階にあります。
スタッフが常駐しておらず、飲み物はセルフサービスですが、館内着・館内用スリッパで利用することができるので、とてもリラックスして過ごすことができます。
客室でもコーヒーやお茶などが飲めますが、ドリンクの種類の多さやお手軽さから、よくここに来ていました。
また、壁には絵が飾られていたり、新聞も用意されているため、ダンナさんと別行動をしたときの待ち合わせ場所としても利用させていただきました。
立派な客室があるのについつい来ちゃう。笑
ボタンを押すだけでコーヒーが飲めるから楽なんだよね。笑
喫煙所もここにあり、外にも出られるようです。
外は中庭になっており、花御殿の建物がすぐ目の前に見え、小さな池もありました。
花御殿の客室
花御殿の客室は、結婚式当日の夜に、私たちだけではなく、家族全員も宿泊招待しました。
したがって、ここに載せている客室の写真は改修工事前に撮ったもので、公式ホームページで紹介されている部屋より少し古く感じるかもしれません。
ですが、「フラワーパレス」とも称される客室には花の名がつけられ、インテリアやルームキーにも花のモチーフがあしらわれており、とても優雅な気分に浸ることができました。
家族との思い出がつまった、特別な客室でもあります。
花御殿は、富士屋ホテルの客室の中で最も人気があるようで、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ夫妻、三島由紀夫も宿泊したことで知られています。
お二人は、最上位室「ヘリテージルーム菊」に宿泊されていたようです。
43室の客室には全て花の名前が付けられ、ルームキー、客室のドアなど、細部に花のモチーフが使用されています。
こちらは、宿泊したときのルームキーです。
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私たちの分は撮り忘れちゃったね。
結婚式のことで頭がいっぱいだったからね。
リニューアル後のルームキーも、細部にこだわりが感じられて素敵ですね!
ホテルの廊下には、竣工当時に使われていたルームキーが展示されています。
こちらは改修工事後に撮った花御殿の客室のドアですが、雰囲気はそのままで綺麗になっていました。
花御殿にも、いつかまた泊まってみたいですね。
宿泊客専用の屋内温泉プール
こちらは、花御殿の地下1階にある、宿泊者専用の箱根・宮ノ下の天然温泉を使用した温泉プールです。
まるで、ヨーロッパの温泉のようなクラシカルな雰囲気ですね。
まだ一度も利用したことがありませんが、いつかのんびり温泉プールに浸かってみたいです。
クラシック・チャペル
私たちの挙式を行った、収容人数80名ほどのクラシック・チャペルを紹介します。
チャペルの入口上にあったステンドグラスがなくなりました。
内部は、木のぬくもりを感じるアットホームな佇まいはそのままですが、改修後は今風のお洒落な雰囲気に生まれ変わっていました。
ドアを開けて右奥には、120年以上の歴史をもつオルゴールがあります。
綺麗になっても、歴史を感じるオルゴールが、チャペルのインテリアに違和感なくとけこんでいます。
横から見た雰囲気は、改修前とあまり変わっていないように感じました。
せっかくなので、改修前に撮ったチャペルの写真もここに載せておきましょう。
2枚並べて比較してみました。改修前はエレガント、改修後はモダンな雰囲気で、好みが分かれるとは思いますが、どちらも素敵だと思います。
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こちらは、結婚式当日に嶋写真店さんに撮っていただいた写真で、手前のアンティークオルゴールが良い味を出しています。
ミカド ポリフォン・クロック No.54U
1900年頃に製造された、ドイツのオルゴールメーカー、ポリフォン(Polyphon)社製のコイン投入型ディスクオルゴール「ミカド(Mikado)」
オルゴールの音色は品格と深みのある響きが特徴で、クラシック・チャペルでの心温まる挙式をよりいっそう感動的なものにしてくれました。
ホテル・ミュージアム
ホテル・ミュージアムは花御殿の地下1階にあります。
ここは、富士屋ホテルの史料展示室になっており、貴重な史料と展示物を眺めながら、ホテルの誕生から現在までの道のりを知ることができます。
このブログには写真を載せていませんが、改修工事により新たに発見された経営資料や書簡、改築まで至らなかった建築計画や図面なども展示されています。
このように、歴代の経営者たちが、より良いホテルにするために試行錯誤した歴史も知ることができます。
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フォレスト・ウイング
フォレスト・ウイングは、昭和35年(1960年)に建築された、富士屋ホテルの中で最も新しい建物で、敷地内の高台に建っています。
富士屋ホテルの建物のなかでは控えめな存在ですが、客室は箱根の美しい自然を眺めることのできるお部屋や、箱根登山鉄道をのぞめるお部屋もあり、眺望はいちばん素晴らしいと思います。
また、2階には宿泊者専用の広々としたラウンジがあり、最上階にはスパ(温泉)やリラクゼーション施設を完備しています。
フォレスト・ラウンジ
富士屋ホテルがリニューアルしていちばん驚いたのが、この宿泊者専用のフォレスト・ラウンジです。
落ち着いた綺麗な空間で、箱根の自然を眺めながらゆっくりくつろぐことができます。
館内着及び館内用スリッパでご利用いただけます。
改修工事前には無い施設でした。
一日中快適に過ごせそうな場所だよね。
しかも、このときは他に誰もいなかったので、ほぼ貸切状態でした。
図書館にもなっており、両脇の本棚には和書と洋書あわせて約600冊の本が綺麗に並んでいます。
本棚に並んでいる本は、日本の文化や伝統をつづったものがメインでした。
富士屋ホテルについての書籍もありました。
もっと時間があれば、ここでずっと本を読んでいたいね。
今回は2泊だけど、いつか1週間くらい滞在してみたいよね。
観光はあえてせず、ホテルでのんびり過ごすだけの箱根滞在も、極上の癒しを与えてくれるのではないでしょうか。
ただでさえ旅先ではあまり移動しない私たちですが、いつか非日常の時間を豊かに過ごすための「何もしない旅」を計画してみたいと思いました。
スパ(名湯・宮ノ下の天然温泉)
「スパ」は、リニューアル後のフォレスト・ウィング最上階(6階)に誕生した、箱根の温泉を堪能できる大浴場のことです。
大浴場は改修前に一度だけ利用したことがありますが、あまり落ち着けずにいつも客室内のバスルームを利用していました。
客室内のバスルームのお湯も温泉が出ます。
ですが、今回はこのスパ(大浴場)を大いに満喫しました。
広々と清潔で洗い場も仕切られており、なんといってもお湯に浸かりながら箱根の雄大な景色を眺められるのが最高!
今回は利用しませんでしたが、半露天風呂とサウナもあります。
スパには、バスタオル、フェイスタオル、メイク落とし、洗顔料、化粧水、乳液、シャワーキャップ、綿棒&コットンなどが備えられているため、身軽で利用できるのも便利でした。
ボディタオルの備えは無かったので、客室から持参しました。
パウダーコーナーも9つあり、ゆったりしていて快適です。
フォレスト・ウイングの客室
改修前の写真になりますが、フォレスト・ウイングにも一度だけ宿泊したことがあります。
ここは他の棟の客室に比べると少し地味かもしれませんが、比較的リーズナブルで広いところが魅力。
それでも、富士屋ホテルらしさは感じていただけるのではないかと思います。
また、フォレスト・ウイングに泊まるメリットのひとつとして、この素晴らしい眺望もあります。
四季折々の箱根の景色を満喫できるのも、フォレスト・ウイングならでは。
訪れたのは2月の真冬ですが、新緑や紅葉の時期に訪れるとよりいっそう素晴らしい景色が眺められそうです。
このように、運が良ければ箱根登山鉄道が自然の中を走る姿を目にすることができる客室に当たるかもしれません。
比較的リーズナブルで眺望も良く、ラウンジやスパへの移動が楽なため、フォレスト・ウイングはコスパの良い客室かもしれませんね!
美術館のような廊下
まるで美術館のような佇まいの廊下も素敵でした。
このように、建築当時の白黒写真を眺めながら、富士屋ホテルの歴史を感じることができます。
一枚一枚写真を撮ってみたので、ここにギャラリーのように並べてみました。
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富士屋ホテルの館内の紹介は以上となります。
仙石原のイタリアンレストランで夕食
箱根滞在2日目の夜は、レンタカーで仙石原まで移動し、イタリアンレストラン「イルピアチェーレ」でディナータイム。
いつも箱根に行くと訪れるお店「La Bazza(ラバッツア)」が、残念なことに滞在中定休だったため、他に良いお店はないか探して見つけたお店なのですが、なかなか美味しかったです。
私がオーダーしたのは、冒頭の特製ラザーニャ。ソースがとても美味しく、中に野菜や豆類・キノコがたくさん入っており、見た目ほど重さを感じませんでした。
ダンナさんがオーダーしたのは、こちらのハンバーグ。
こっちも豆や野菜たっぷりで見た目よりヘルシーで美味しかったよ!
箱根はグルメも楽しめるから何回行っても飽きないよね!
まとめ
今回も、美術館のような富士屋ホテルの内外を写真メインで紹介してきました。
そのなかでも箱根を象徴する古き良き昭和レトロの世界が感じられる『食堂棟』『花御殿』『フォレスト・ウイング』は、館内の施設も充実しており、心豊かな時間を過ごすことができる場所です。
箱根を訪れた際には、ぜひ富士屋ホテルの趣のある空間で非日常を感じられてみてはいかがでしょうか。
次回は、富士屋ホテルの庭園の様子を紹介いたします。
数あるサイトの中から当ブログを訪れていただき、ありがとうございました。