2022年6月20日〜22日、箱根旅行の続きです。
この旅行は10年目の結婚記念日を祝うために計画しました。
旅行とはいっても特に観光地巡りはせず、結婚式を挙げた思い出の富士屋ホテルで、非日常空間を堪能するのが目的です。
今回は、富士屋ホテル滞在2日目ということで、美術館のようなホテルの様子を写真メインでお伝えしていきたいと思います。

もしよかったら、こちらもあわせてご覧ください。




今回は、明治時代に建てられた『本館』『西洋館』『別館 菊華荘』を紹介いたします。
富士屋ホテルについて


富士屋ホテルの建物は、5棟が国の登録有形文化財に指定されています。
- 本 館(明治24年)
- 西洋館(明治39年)
- 食堂棟(昭和 5年)
- 花御殿(昭和11年)
- 別館 菊華荘(明治28年)
歴史の面影を残すこれらの建物は、今もたくさんのお客様を魅了し続けています。








富士屋ホテル本館


最も古い建物が、明治24年竣工の『本館』です。
神社・仏閣の建築を思わせる瓦葺屋根、唐破風の玄関が特徴です。


本館テラスに出ると、かつて玄関として使われていた回転扉が目に入ります。


回転扉のすぐ上に、扉全体を覆いつくすほど羽を広げた白い鳳凰の姿があります。
鳳凰の上には、優しい顔をした天使の彫刻が、訪れる人々を祝福します。


ちょっとした遊び心で、実物の本館を背景に、イラストの本館にピントを合わせて写真を撮ってみました。




ポストカードはホテル内のショップで販売もしていますので、宿泊しなくても富士屋ホテルを訪れた記念に、ぜひお求めになってはいかがでしょうか。
ホテルの中に入っていきましょう。クラッシックなエントランスが、まるでタイムスリップしたかのようです。


こちらは、地下のエントランスを入ると出迎えてくれる、初代社長の愛犬の像です。


その横の階段を上ると、『サン・パーラー』に出ます。


階段そのものも芸術的で、異国情緒漂う赤い欄干に龍が巻きついています。
富士屋ホテル本館のサン・パーラー


地下の正面玄関から真っ赤な階段を上がると、『サン・パーラー』と呼ばれるロビーがお出迎え。


サン・パーラーは、宿泊客以外でも自由に休憩などができ、団体客の受付所や、館内ツアーの集合場所になったりするようです。
過去に訪れたときの写真と見比べると、かなり雰囲気が変わったような気がしました。
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富士屋ホテル本館のマジックルーム


ホテルのフロント前のロビーを『マジックルーム』といいます。


かつて、ここは6室の客室でした。


西洋館の増築で広いロビーが必要となったため、ロビーに改装されました。


中国からマジシャンを呼んでカードマジックなどが行われていたことからこの呼び名になったそうです。
富士屋ホテルは、照明にも注目です。
こちらは3灯式の照明器具で、アンティークとしても価値のあるものです。


和でも洋でもない富士屋ホテル独特の空間は、もちろんシャンデリアも映えますね。


富士屋ホテル本館のフロントと中央階段


本館の顔ともいえる場所が、こちらのフロントと中央階段です。
フロント前には、源頼朝が富士の巻狩りに興じるさまを描いた一枚板の見事な彫刻があります。
本館の中央階段は、結婚式の撮影場所としても知られています。



私たちもここで撮影しました。


階段の赤いカーペットと、木製の流れるようなラインの手すりが目を引きます。
富士屋ホテル本館のラウンジ


人気のアップルパイをはじめ、スイーツ、軽食など、メニューも充実したラウンジがこちらです。
ここは、宿泊客以外の来訪者もご利用いただけます。
本館のラウンジは2箇所ありますが、私たちは庭園側で庭園を眺めながら、美味しいコーヒーをいただきました。


こちらはラウンジのコーヒーチケットです。


リニューアルオープン後の富士屋ホテルでは、「エコステイ」に賛同・協力した宿泊客に、お礼としてラウンジのコーヒーチケットが渡されます。
環境への負担を減らすための試みで、連泊の宿泊客に対してシーツの取り替えやベッドメイキングを行わないサービス(ノークリーニング)のこと。
- タオルの交換とアメニティの補充はしていただけます。
ラウンジのチケットを利用すると、コーヒーがサービス(無料)のうえに、おかわりもできます。


今回のラウンジではコーヒーをいただいただけでしたが、過去に人気のアップルパイを食べたことがあるので、あわせてここに載せておきます。


水の入った青いグラスが涼しげでした。
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下は、昭和52年のフロント移動時に姿を消した、オーシャンビューパーラーを復刻したラウンジとのことです。





復刻ラウンジも素敵だけど、やっぱり庭園側が好みかもしれません。
富士屋ホテル本館その他


上は、ラウンジのすぐそばにある、庭園が眺められる休憩スペースです。
こちらは、本館の廊下なのですが、初めて富士屋ホテルを訪れたときに、まるで本や映画の世界に迷いこんだような錯覚に陥りました。
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こちらは、本館の中央階段を上ったところです。


装飾が施された白く繊細な柱と、時代を経た木と鉄が味わい深い照明器具が美しいですね。



ここでもウエディングフォトを撮りました。
富士屋ホテル本館の客室


写真は、私たちが今回宿泊した本館のヒストリックジュニアスイートです。
白を基調とした内装に、広々とした間取りと高い天井が開放感たっぷりで、いつもより時の流れがゆっくり感じられました。
そして、窓から差し込む柔らかな光が、室内をふんわりと包み込んでくれます。


花御殿をのぞむテラス側と庭の池を見下ろす庭園側があり、私たちの客室はテラス側でした。


富士屋ホテル西洋館


明治39年竣工の、白い建物が映える美しい明治の洋館『西洋館』。
鎧戸付き上げ下げ窓の外観がクラシカルで、初めて富士屋ホテルを訪れたときにいちばん気に入ったのが、この西洋館でした。
豪華な唐破風と火灯窓の玄関は、建築時の面影をそのままに、ひときわ存在感を放ちます。




こちらは、紅葉の季節に訪れたときに撮影した西洋館です。


西洋館内は客室のみで、他の棟のように施設などがないため、シンプルな造りです。


明治期の洋風建築の典型ともいわれる階段の装飾も美しいですね。


館内の乳白ガラスの照明の多くは、建物が完成した当時から取り付けられているものです。


富士屋ホテル西洋館の客室
高い天井とエレガントでヨーロピアンな佇まいが素敵な西洋館の客室。
2回宿泊したことがあるのですが、残念なことに写真を撮っていなかったため、富士屋ホテル公式Instagramの写真で雰囲気を感じていただけたらと思います。
富士屋ホテル別館 菊華荘


明治28年に、皇室の宮ノ下御用邸として建てられた、由緒ある純日本建築の建物『別館 菊華荘』。
ここは、結婚式のあとに披露パーティー(お食事会)を行った場所で、落ち着いた雰囲気のなか、季節の素材にこだわった日本料理を美味しくいただきました。
四季折々の景色が楽しめる日本庭園がとても美しいです。


文明開化の香り漂う、明治期に建てられた富士屋ホテルの紹介は以上になります。
富士屋ホテル内の「平和通り」という名の地下廊下


明治期に建てられた『本館』と、昭和期に建てられた『花御殿』をつなぐレトロモダンな地下廊下も紹介いたしましょう。
その地下廊下は、フランス語で「Rue de la Paix(リュ・ドゥ・ラ・ペ 平和通り)」と名づけられています。


この廊下も、改修工事前から大好きな場所です。



なんとなくパリのパッサージュの雰囲気に似ているかも!



確かにフランス語がしっくりくる通路だね。


富士屋ホテルの周辺


続いて、昭和期に建てられた『食堂棟』『花御殿』『フォレスト・ウイング』を紹介したいところですが、長くなりそうなのでちょっと一息つきましょう。
ここからは、富士屋ホテルの周辺を少し紹介したいと思います。
ベーカリー&スイーツ「ピコット」


富士屋ホテルの外を出て、富士屋ホテルのホームメイドベーカリー「ベーカリー&スイーツ ピコット」に、昼食用のパンを買いに行きました。
このときに買ったパンの写真は撮り忘れてしまいましたが、前日のディナーで出てきたパンも、ピコットのパンです。




HakoneHOSTEL1914


ベーカリー「ピコット」のすぐ向かい側に、外観が素敵な建物が目につきました。
ここは、1914年(大正3年)に建てられた郵便局をリノベーションした宿泊施設『HakoneHOSTEL1914』です。
嶋写真店


明治11年創業の、ジョン・レノンなどの著名人をはじめ、富士屋ホテルや箱根の観光客を撮りつづけてきた歴史ある嶋写真店さんです。
箱根登山鉄道「宮ノ下」駅から富士屋ホテルに向かう途中にあります。
私たちのウエディングフォトは、嶋写真店さんに撮っていただきました。


まとめ


今回は、美術館のような富士屋ホテルの内外を写真メインで紹介してきました。
そのなかでも明治時代に建てられた『本館』『西洋館』『別館 菊華荘』は、古き良き趣を残したノスタルジーを感じられる場所です。
箱根を訪れた際には、ぜひ富士屋ホテルを訪れて、文明開化の時代に思いを馳せながら、当時の人々の気持ちに触れてみてはいかがでしょうか。
次回は、昭和期に建てられた『食堂棟』『花御殿』『フォレスト・ウイング』を紹介いたします。





最後まで読んでいただきありがとうございました。

